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2021年5月19日 (水)

「破獄」吉村昭

Img_20210519_0001 2月に氷の北海道を旅した時に網走監獄博物館を訪ねました。
そこのお土産屋さんで買った本です。

タコ足のように伸びて中央の見張り場からすべての舎房の廊下が見渡せるようになっている牢獄。
当時、どこよりも堅牢だと言われていたこの網走刑務所を始め、4つの刑務所から逃亡を重ねたという無期刑囚・佐久間清太郎を描いた本です。
戦時中の刑務所を舞台に生きる看守や囚人たちの世界を知ることができ、とても面白く読みました。
戦中、戦後、刑に服す囚人たちの労働力がどれほど大きなものだったか、
北海道の開拓に囚人たちの労働力が大きく使われたことは、博物館でも展示されていましたが、
綿密な取材でそこも描かれています。

食糧難の時代に膨大な数の囚人たちの食料を確保するために、どれほど苦労したか、
一般の国民より食料に恵まれていたことも分かります。

私たちの生きる世界とは違う次元にあるような牢獄の中で様々な人間模様が展開され、
どんなに堅牢な牢獄も簡単に破獄してしまう佐久間清太郎の知恵と体力に驚かされます。
一生を刑務所の独房内で監視されたままに送るはずだった佐久間清太郎も、
最後は人の優しさに希望を見出し生涯を閉じることになります。
この終わり方がいい。

最近ハマっている帚木蓬生さんと言い、この吉村昭さんと言い、この時代の作家さんの取材力に脱帽させられます。
Img_20210519_0002_20210519104501 本当にあった話をドラマのように一冊の物語にする。
思いついたことを簡単に並べて書いては簡単に本になってしまう昨今ですが、
こういう本を読むと、「書くことのプロ」はやっぱりこうあるべきなんだろうと改めて感じます。
また別の一冊を読んでみたくなりました。
★★★★

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