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2022年1月

2022年1月31日 (月)

「芸術と科学のあいだ」「生物と無生物のあいだ」福岡伸一

Img_20220129_0002 「生命とは自己複製するシステムである」

地球上のすべての物は一時たりとも同じ状態を保つことなく、二重らせん構造のDNAを複製させ、動的平衡を保ちながら新しい構造を作り続け変わっていく。
生物学の面白さ、命の不思議、ミクロの原子から作り出されている人間の体がこんなに大きいのはなぜなのか、etc・・・。

科学者であり、芸術を愛する人である福岡ハカセのエッセイ。
科学的は解説はよく分からないながらも、とても魅力的な2冊です。
科学と芸術を表裏一体として捉えれば、見える世界が少し広がる気がします。

生命を捉えるとき、私がキーワードとしているのは「動的平衡」という概念である。たえず合成しつつ、常に分解し続ける。この危ういバランスの上にかろうじて成り立っている秩序が生命現象だ。恒常的に見えて、二度と同じ状態はない。大きく変動しないために、いつも小さく変わり続ける。動的平衡は決して新しい考え方ではない。有名な方丈記の冒頭の一文、「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。淀みに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためしなし」を引くまでもなく、この世界観は、私たちの文化史の中に繰り返し現れている。

この世界に存在する原子の総量はほぼ一定である。それは文字通り、あるときは結合し、また別のときには切断され、ぐるぐると環境中を回り続けている。そしていっとき、私の身体を構成し、次の瞬間、自然の中に拡散していく。そしてまた次の何かに宿る。・・・「芸術と科学のあいだ」聖女プラクセデス

一枚のアートな写真をモチーフに芸術と科学を分かりやすく解き明かしていくユニークな一冊です。

ノーベル賞を受賞した何人もの科学者たちがどのようにしてその発見に辿り着いたかも解説されています。
ニューヨークの大学の研究室にこもって、ひたすらデーターを集めた自らの若き日の事、出会った科学者の人となり、
幼い頃に蝶々を追いかけて、その命の美しさに心惹かれ、科学の道を歩み始めたこと。
本物のフェルメールの絵に自分の目で直接観るために世界中の美術館に足を運ぶこと。

世界のアーティストの作品へのオマージュ。
相対性や均一性、その表現の捉え方。
それがあまりにも多岐に飛んでいることに驚かされます。
芸術を科学的に見る目。
科学を芸術的に捉える目。

世界の成り立ちをこういう風に見ることもできるのだ👀Img_20220129_0003
私にもう少し科学を理解し得る賢さがあれば
もっともっと面白く読めるんだろうなあ。

これはむしろ女性よりは科学的思考ができる男性が読んだ方が面白い2冊なのかもしれない。

 

2022年1月29日 (土)

「ガラスの海を渡る舟」寺地はるな

Img_20220129_0001 若い魅力的な作家さんが登場しているんですね。

祖父の後を継いで、吹きガラス工房を動かしていく姉弟の物語。
ADHDの障害を抱えながらも自分より芸術的な作品を生み出していく弟への嫉妬のような思いを抱える姉。
作品を作る以外は、何をしても上手くいかない弟は、教室を運営したり、商品管理を姉に頼るしかない。
自分の目で確かめたもの、きちんと分かりやすく説明してもらったことしか理解できないながらも、表現したいことを貫いていく弟。
兄弟だからこその葛藤や、家族だからこそ守りたい思いや、
たくさんの心の中の苦しさが、姉側、弟側から語られる。
溶解炉の中で溶けるガラスを海に例えて、作品作りへと漕ぎだしていくその感覚が素敵です。
言葉の使い方も文章もとても共感できました。

他の作品も読んでみたくなりました。

2022年1月25日 (火)

2022年1月のはがき絵教室

今年の描き初めでした。
7人全員が顔を揃えました。
予定していた新年会ランチはオミクロン禍で中止にしました。

20221-2 それでも描いてるだけで愉しいひとときです。
それぞれがモチーフを持ち寄ることになっていますが、
今日は6人が水仙の花を描きました。
ちょうど季節の花ですもんね。

玉葱、赤かぶ、シイタケ、シクラメン、ツバキ、紙風船、レモン、みかん、お雛様、etc・・・。

私は今日は4枚描きました。
いつもより2枚ほど少なめでした。
20221

 

 

 

 

 

 

地域会館に飾っていただく今月の額はこんな風になりました💡
20221-5

2022年1月24日 (月)

「Coda あいのうた」

640_20220124125601久しぶりに映画館に足を運びました。
予告編で見て、ぜひ観に行こうと思っていた作品です。
暖かい涙が溢れ、心が浄化されました。

タイトルの「CODA(コーダ)」は、「Children of Deaf Adults= “⽿の聴こえない両親に育てられた⼦ども”」のこと。

息子が視覚支援学校に勤務していて、目は不自由だけど、音楽的才能に溢れる子どもたちの話を聞くことがよくあります。
これは聾唖家族の中で一人耳が聞こえるために、幼い頃からずっと通訳係として家族を支えてきた女の子のお話です。

障害を持つ家族ですが、明るく仲良く愛情に溢れている一家。
家業の漁業を手伝う主人公・ルビーだが、獲ってきた魚は卸売り業者に買いたたかれ、生活は苦しい。
自分たちで直接、売るための協同組合を立ち上げようと家族で奔走します。

漁業の最中も大きな声で歌いながら作業するルビーは歌が大好き。いつも一人、秘密の池の湖岸で歌っている。そんな中、高校のクラブで合唱を選択し、顧問の教師に才能を見出される。

ルビーを演じたエミリア・ジョーンズはとても魅力的な女の子でした。
お母さん役のマーリー・マトリンら、実際に聴覚障害を持つ俳優たちがルビーの家族を演じています。
お父さんもお母さんもお兄さんも、とても魅力的な俳優さんたちでした。
そして、合唱部顧問のぶっ飛んだ先生が何より素晴らしかった。こんな先生に出会えたルビーは本当に幸せです。 
父兄を招いた高校の発表会、ルビーがボーイフレンドとデュエットして他の聴衆が盛り上がる場面では、観に来た家族3人の“聴こえない感覚”を疑似体験させる演出として、無音になる場面があって、あ~聞こえないってこういうことかととても心に響いた。


ルビーが入試で歌った、ジョニ・ミッチェルの名曲『青春の光と影』(Both Sides, Now)。
「若い頃の楽しい体験と、苦労や悲しみといった両面も、振り返ってみると幻のよう、人生なんてわからないもの」といった内容の曲。
有名な曲ですが、字幕で繰り出される歌詞が素晴らしく、あ~、こういう歌詞なんだなあと改めて感動した。


いい映画に出会えると本当に嬉しい。
育った家を出て歩き出そうとする若者たちへの応援歌。
親にとっても、子どもにとっても、その旅立ちの時はワクワクして切なくて・・・。
その瞬間も思い出されました。
★★★★★

 

2022年1月22日 (土)

85歳

Img_3454 母の85回目の誕生日。
手作りのケーキで家族でささやかにお祝いしました。

認知症で一人暮らしが困難になり、グループホームに入所して3年半が経ちました。
始めの頃は帰りたくて仕方がなくて、いつも怒っていました。
気持ちも不安定でトイレと居室を10分ごとに往復するようなことが一年近くも続きました。
一人暮らしの家では、ちゃんとした食事よりもアイスキャンディーとアマ玉ばかりを食べ続けていた母です。
それも施設では取り上げられ、
大好きだったお酒もタバコも禁止され、最初の2年で体重が20kg減少しました。
混乱するからと部屋にはカレンダーも時計もありません。
たくさん持たせていた家族写真も、「下着の中に隠してしまうので」という理由で持ち帰らされました。
昔からの思い出や趣味や日々を推し量るものは、周りには何もありません。
許されているのはテレビぐらいです。

3年半と言う年月は母を変えたのでしょうか?
最近は、グループホームでの生活に慣れてきたように見えます。
洗濯物をたたむことや夕飯の食材を階下に取りに行くことを申し出て手伝ったり、
施設周りの5分ほどの散歩にも出るようになったそうです。

コロナ禍で面会も外出も禁止ですが、通院のための外出だけは許可されています。
年が明けて初めて会った母です。
「幸子やないの。元気やった?」

S__58884100 娘宅でほんの30分だけの誕生会をしました。
ひ孫の顔を見て嬉しそうですが、名前はもうどちらがどうとかどうでもいいようです。
夫さんの名前は今日は出ました。
これは調子がいい証拠です。
ビックリすることにもう3年以上会いにも来ない弟の名前を出して「元気かなあ?」と気にかけています。

寝屋川で30年暮らしたマンションを出て、堺の我が家の近くに引っ越してきたのが2015年の春。
一人暮らしができたのは2年と少しの間だけでした。

S__58884103 3回の食事をちゃんと食べさせてもらえて、お風呂に入れてもらえて、必要な薬を正しく飲ませてもらって体調管理をしてもらえること。
それだけで充分と思って入所させてもらったグループホームです。

母は気持ち穏やかに過ごせるようになったのでしょうか?
お金を払ってこそ仕事として関わってもらえる介助は、
要らない気持ちがいっぱい入ってしまう家族の介助より気楽で親切なのかもしれません。

「認知症」という病は、もしかしたら人生が辛くてもう何もかも分からなくなった方が余程マシだと思うような人に
救済として訪れるのではないかと考えることもあります。

甘いケーキを食べて、母がほんのひと時でも幸せを感じてくれたならいいなあと思わずにいられないのでした。
85歳、おめでとう。

 

 

 

2022年1月16日 (日)

「九十八歳。戦いはやまず日は暮れず」佐藤愛子

Img_20220114_0010 「九十歳。何がめでたい」
2016年の痛快エッセイから早6年。
佐藤愛子さんの新作。
図書館に予約した時点で126番ぐらいだったのがやっと回ってきました。

御年98歳だそうです。
「これにて断筆宣言とする」と書いておられますが、なんとユーモアと洒脱に飛んだ素敵な日常風景であることか✨
佐藤さんらしいバッサリと切り捨てる怖いもの知らずの表現がスッバラシイ一冊です。
TVコマーシャルで出てくる「もう前向きもヘッタクレもあるかいな」というセリフ。
これは某週刊誌から、長い老後をどう前向きに過ごしていけばいいか?とインタビューされた時のお返事だそうです。
その心境が萌出されていて、読むほどに元気が出てきます。
67歳から「老後」をテーマに書いてきたが、
今にして思えば、なんとあの頃の若造であったことか❗
あれからなんと30年❗
そういう下りに笑わされます。

人生の終結を目の前にした心境とは?
「災難に逢時節には災難に逢がよく候。死ぬ時節には、死ぬがよく候」
これは良寛禅師のお言葉だそうですが、これこそが佐藤さんの憧れる老後だそうです。
前向き、後向き、どうだっていい。老いた身体が向いている正面を向いていればいい。正面にあるのは死の扉だ。
扉の向こうに何があるのかは誰にもわからない。わからなくてもいい。分からぬままにその扉に向う。扉は開いて私を呑み込み、そして閉じる。音もなく閉じる。それでおしまい。

なるほどな~💡

「釈然としない話」として、女性蔑視発言で退任にまで追い込まれた森喜朗さんのことを書かれています。
「女性が多いと会議の進行に時間がかかる」とポロリと言ってしまった一言。
どうしてそれが女性蔑視とまで取り上げられるのか?
ただ長年の経験上、思っていたことを口にしてしまっただけではないのか?
日本中のマスメディアが見つけたターゲットは決して逃すまいと、寄ってタカってコテンパンに袋叩きにして葬り去るという最近の傾向。
ただ自分の率直な感想を言ってしまっただけなのに、何がアカンのか?
若い頃から、思ったこと感じたことをそのまま口にして言葉にして語ってきた佐藤さんだからこその釈然としない気持ち。
監視し合う社会、犯人捜しをしては袋叩きにする社会。
そんな空気感に釈然としない気持ちを抱く佐藤さんの気持ちが伝わってきて、コレコレ~✨その通り❗
と思わずにはいられなかった。
佐藤さんは日本という国の知性を心配しておられます。
まさしく❗


97歳でまだ「もの書き稼業」を続けている佐藤さん。
近頃は書いても書いても納得のいくものが書けずに家中が書き損じて投げ捨てた原稿用紙で散らかり放題。
しんどくて仕方がないので通りがかりに入った医者に相談すると、
「ダメです!書くのをやめたら死にます!」と明言される。
「辛くても苦しくても書きつづけてください」と。
死なないために書き続けるというのも情けない話だ。
私の誇りが許さない。
じゃあ、ホントに死ぬかどうか験してみることにしよう。

という流れでの断筆宣言になったようです👀
それを聞いたお孫さんと娘さんの反応もまた可笑しい💡

いやいや、佐藤愛子さん。
「百三歳。未だ書き足らず」を出してください✨



2022年1月15日 (土)

「迷走生活の方法」福岡伸一

Img_20220114_0001

科学者福岡ハカセの痛快科学エッセイ。
科学的頭脳皆無の私ですが、面白~く読めました💡
このタイトルは1970年代のベストセラー「知的生活の方法」(渡部昇一)のオマージュだそうです。今、コロナの時代、迷走神経を活性化する生き方を目指そう!という一冊。
「意思の力とは別に自然に身体を整えてくれる自律神経のうち、交感神経がアップ系・アクセル系とすれば、副交感神経がダウン系・ブレーキ系である。副交感神経の主役が迷走神経。迷走神経が優位にある時、心身はリラックスし、ストレスは低減、免疫系は活性化され、病気は遠のき、ウィルスも退けられる。人生百年時代。長く、健やかに生きるためのコツがすなわち「迷走生活」。」

コロナウィルスとはそもそもどういうものであるのか?
まるで検査方法のように使われている「PCR」とは、本当はどういうものであるのか?
そして人類の大転換期をもたらすことになるであろうこの戦いの行方は?
コロナとの戦いの手立てとなっているRNAワクチンの驚くべき仕組みとは?

いや~、科学する人ってスゴイんだな~✨
科学的な仕組みの説明は、半分ぐらい分からなかったりもするのだけど、ウィルスと人類との長い歴史的な戦い、共存のことなどを紐解いてもらって、なるほどな~とよく分かったのです💡

変化を受け入れ柔軟に自らをも変化させていける生命体こそがこの世界で長~く生き残っていけるという自然のシステム。
コロナウィルスが形を変えながら、人から人へと感染を広げていくのも、ウィルスとして生き延びる知恵なのかもしれません。

誰よりも尊敬する科学者が「沈黙の春」のレイチェル・カーソンだということ。
村上春樹を研究する人であること。
本を書くほどにフェルメールの絵を愛する人であること。
家族の形を描く是枝監督の映画を絶賛する人であること。
蝶々を追いかけた少年時代の夢を原点にして、科学の道を歩んできたこと。
そして、今も尚、世界に蝶々を追って旅する人であること。
「本」の佇まいを何よりも愛する人であること。

福岡伸一さんの人としての魅力がいっぱい詰まったエッセイです。
本の中で、福岡さんがクイズを出されています。
「なぜ勉強しないといけないんですか?」と学生から質問されることがあるそうです。
福岡さんの答えは「それは〇〇になるためだよ」
さて、〇〇に入る言葉は何でしょう?
なんて説得力のあるひと言でしょう💡

答えを知りたい人は、ぜひぜひ読んでみてください。

 

 

2022年1月10日 (月)

連休のお菓子作りと公園巡り

三連休でしたが、おとなしくしていました。
たまにはのんびりとこういう休みもいいかな~💡

Img_3376 8日の土曜日は朝からチョコブラウニーを焼きました。
最近このステンレスパッド(16cm×22cm)でケーキを焼くのにハマっています。
おやつサイズに四角く切りやすい食べやすいでいい感じです。
休みの日は、だいたい朝のお菓子作りから始まります✨

Img_3381 お昼からは孫たちと近くの大蓮公園へお散歩。
真っ青な空にポカポカと陽射しも暖かくいい気持ち。

隅っこの方に行ってみると、25年も前に取材させてもらったことのある埴輪に遭遇。
作ったのは「泉北の美術を育てる会」の初代会長の岩井久子さんです。立体彫像を専門にされていました。可愛いハニワ群を大蓮公園に寄贈された時に取材させていただきました。もう随分前にお亡くなりになりました。お馬さんの埴輪は首がなくなっていて哀れです。
でも、残っていたことがなんだか嬉しく懐かしく思えました。
個性的でざっくばらんで素敵なおばさんでした。

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Img_3383 昨日は、朝からプリンを焼きました。
娘宅でお友達が集まってお餅つきをするというのでおやつの差し入れ。
 

今日も朝からリンゴプリンを焼きました。
これは写真を撮るの忘れた💦
そして、またまたピーカンの青空だったので、孫たちと蜻蛉池公園に行ってみることにしました。
冬は水仙郷
辺りいっぱいに甘い香りが漂っています。
満開でとっても綺麗~✨
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全部の花がこっちを向いて咲いてます。
これでもか、これでもか、これでもか~✨
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Img_3400 そして、池には鴨たちがい~っぱい💡
エサチョウダイ、エサちょうだい、エサちょうだい~❗
手のひらにエサを乗せて差し出すと、手からもパクンと食べてくれます。
ひと遊びして愉しかった~✨

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こんなに近くに寄っても大丈夫💡
置物のように可愛いお目目の鴨たちです。
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遊具の方はいっぱいの人、人、人でした👀
ファミリーのお休みの過ごし方、No.1というところでしょうか?ロング滑り台も列になっていました。
いいのか悪いのか・・・
オミクロンは大丈夫なのか・・・
危機感は薄れつつあるようですね~💦


Img_3411
明日から仕事ですね~💦
目を覚ましましょう💡



2022年1月 5日 (水)

「女のいない男たち」

Img_20220102_0001

 

映画で観た「ドライブ・マイ・カー」の村上ワールド振りがとても響いたので、原作を読んでみたくなりました。
去年の夏、観終わってすぐに予約した本の順番がやっと回ってきました。
村上春樹には珍しい短編集です。6作品が掲載されています。
お話がどこかでつながっているような、同じ世界の物語を別の角度から描いているようにも感じられた6作品。
村上ワールドに浸りました。
どこか寓話の世界のような不思議な感覚が心に沸き起こります。

「ドライブ・マイ・カー」の映画はこの6編の作品のあちこちからピックアップして作られているようにも感じました。
映画の方では家福という主人公(西島秀俊)の運転手として働く三浦透子の人生を深く描きすぎていて、なんだか焦点がぼやけてしまっているような気もしたし、その描き方も極端すぎて非現実的な描写になっていましたが、原作には三浦透子の生い立ちを書いた部分はなく、むしろ分かりやすかった。
また映画で圧巻だった演出家役の西島秀俊と俳優役の岡田将生が車中で対峙する場面も、原作にはありませんでした。

それこそが映画演出家の面白さでもあるのでしょう。原作のままではなく、何かを足したくなる気持ちもわからないではありません。

短編集の方は「イエスタデイ」や「木野」も面白かった。これらも映画の中にプラスされているように感じました。

心理描写がやっぱりいい。村上春樹の世界に惹き込まれます。

2022年1月 4日 (火)

「みらいめがね②~苦手科目は『人生』です」

Img_20211230_0001 荻上チキさんとヨシタケシンスケさんの共著。
荻上チキさんはラジオのパーソナリティーもされている評論家さんです。
1981年生まれなのでまだお若いですが、腑に落ちることがたくさん書かれていて、とても面白かった。
日常の中で、なんとなく不安に感じているような、それをハッキリと意識もしていないようなことを、あ~、あれはそういうことか💡と解き明かしてくれているような一冊でした。

体の不調は、心理的な不安定から生まれるものだ、ということに気付かされます。
「心の歯磨き」という項では、ご自身のかかり付けの心療内科の先生の良し悪しのことがかかれていて、あ~、そういうものなのか?!とハッとさせられました。

例えば自分のことで言うと、私は今の重度身体障害者の日中支援施設に働くようになって、もう15年も経ってしまいましたが、
勤務し始めて12年間くらいもの間、読書ということが出来なくなっていました。
12年!👀
勤めるまでは図書館通いで本を借りては読むのが当たり前だったのに、なぜだか読めなくなっていたのです。
この本に「うつの症状が緩和していき、じっくり読書ができるようになった頃から、心理学の本を多読するようになった」とい一節がありました。
そうか~、心にゆとりがなくなると本も読めなくなるということなのかもしれない、と気づかされました。
この2~3年はまた図書館通いができるようになり、読書を楽しめるようになった私です。

私の勤める職場はほぼおばちゃんばかり。
噂話のメッカでもあります。
噂話や井戸端会議が極端に苦手な私ですので、人の悪口や新人の査定話に馴染むことができないでズッと来ましたが、
この本の「会話の作法」の中に、そのことも書いておられました。

人と知り合い、その人が目の前で噂話に興じたりすると、「あ、自分のことも、どこかで話されてるんだろうな」と身構え、自分の話をすることを控えるようになる。仕事先などで、噂話が繰り広げられると、関心を持っていると思われないように視線を逸らしたりする。噂の加担者にはなりたくないが、注意をしたらしたで、「潔癖なやつ」という噂を拡散されそうで怖い。それゆえできることといえば、「自分はその話には無関心です」というオーラを、全身で醸し出すくらいである。

これは正に私の事ですと感じた💡
最近、少し楽になったなあと思えるのは、職場中に私がそういう人間だという理解が行き届いたようで、噂話をしたい時には誰も私のそばにやって来なくなったからなのかもしれません。
私にしたって、今では「勝手に言っとけ~!」でそんな輪に入らなくても全然しんどくなくなった。
私は私の仕事をするだけです。
重い障害を抱えながらも、前向きに生きる人たち。
泣いたり笑ったり、苦手な人がいたり、人を好きになったり嫌いになったり、そんな当たり前を当たり前に受け止めて日々を送る利用者さんたちに、自分の使える手や足を貸してあげるだけで幸せな気分になれる仕事です。

学校という場所がいかに不毛なところであるかを書いた「耐えるのではなく変える」も成程!だった。
ここは長いので一部だけ。

 校則が持つ、隠れたメッセージはこうだ。みんなと同じように振る舞え。秩序を乱すな。変に目立つな。外見で個性を出そうとするな。作文で褒められる程度の個性でいろ。他人に迷惑かけるな。大人が認める「いい子」でいろ。
 校則にはさらなるメッセージもある。理不尽には慣れろ。権威に従え。長いものには巻かれろ。文句を言うな。声を上げるな。周囲の人間が、「ふつう」から逸脱していないか、それぞれが監視し合え。・・・校則は実際、子供のためではなく、管理者の都合で作られている。そして、子供たちに理不尽を受け入れろと、毎日伝えてしまっている。

長いものに巻かれて、理不尽に感じることにも、声を上げて闘うよりは、自分が我慢して黙ってやり過ごす方が楽だ、というのは、まさに私たちが学校生活の中で学び、身につけてきた処世術ですね。
小学校から高校までの学校教育でしっかりと培われたものであることを今更ながらに感じます。

荻上チキさんが書いた文章の後に、ヨシタケシンスケさんが「技あり!」なイラストを入れておられて、それもとてもNice!です。
これは②ですが、前作も図書館で予約中です。早く回ってくるといいな✨

2022年1月 1日 (土)

新年あけましておめでとうございます。

Img_3295 本年もよろしくお願いいたします。
あっという間に年が明けましたね。

暮れに行った伊豆半島マグマの旅で撮ってきた写真で、
LINE用の年賀状を作りました。
富士山の写真、いっぱい撮ったけど、この夕暮れ時のピンクの富士山が一番綺麗だったような気がしました✨
LINEのトークページでこんな風に文字を入れれるって初めて知りました。
学生時代の友人が教えてくれた💡


一年一年があっという間に過ぎていきますね。
コロナ、コロナで何もできないような気がしながらのもう2年です。でも考えてみれば、緊急事態宣言の間をすり抜けるようにして、北海道や奄美大島や沖縄や東北やと日本国内をあちこち旅もしている私たちです。

本当のところ心の奥底ではコロナなんて茶番だ~と感じているせいなのかもしれません。
あまり危機感を持てずにいる私。

Img_3325
いつも息子か末娘かのどちらかがいなかったりしましたが、今回は久々に家族全員が揃ってお節を囲むことができました。
我が家では31日に朝からお節作りをして、大晦日に紅白歌合戦を観ながら食べる、というのが定番です。
作り立て出来立てが一番美味しいに決まってるので、作ったその日に食べちゃいます。
作る物もこの30年ほどいつも同じです。
今年は皆揃って食べることができて、しかも皆に美味しい美味しいと言ってもらえて嬉しかった私です。
・10種類の具材の入った煮しめ
・鰻入りだし巻き卵
・有頭海老の甘辛煮
・栗きんとん(今年はクチナシを使わずにサツマイモとカボチャで黄色にした)
・からんま(これはここ数年上の娘が上手に作ってくれます)
・黒豆煮(これも上の娘が上手に煮てくれるようになりました)
・かぶら巻き(中に生ハム、サーモンを巻く2種類。三つ葉で結ぶ)
・数の子(これは塩抜きして出汁に漬けるだけ)
・蒲鉾(これは切るだけ)
・散らし寿司
・肩ロース煮豚

Img_3327 もっといろいろ作ってた時期もあったけど、結局、食べるものしか作らなくなりました。
紅白歌合戦の後半ぐらいには年越しそばも食べます。
これは夫さんの担当。
出雲人ですからね。

みんなが席に着くのを待ちきれないで先に食べだす春和ちゃん。
孫の回転寿司屋さんに並ぶお客さん。

Img_3335


大晦日は紅白が終わる頃に流れ解散ということに・・・

元旦は、娘宅で朝から餅つきをするというので、年賀状の返事書きもそこそこにお年玉を持って、また集まりました。
Img_33572年目の餅つきで、みんな少しずつ上手になります。

つき立てのお餅を、小豆や砂糖醤油や、きな粉や、大根おろし醤油で好き好きいっぱい食べました。
美味しかった~✨

お腹がいっぱいになったので、少し歩きに行こう👟
ということで、今年は松尾寺へ森歩きがてらの初詣に出かけました。
寒~かったけど、結構お参りの人出もありました。
お詣りするのに10分ほど並びました。
鐘も突かせていただきました。
Img_3359いろいろややこしいご時世ではありますが、身近な家族が元気に愉しく過ごせる日々であることを願いたいです。

笑顔がいっぱいの一年でありますように。

Img_3336

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