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2022年9月14日 (水)

「ポストコロナの生命哲学」

Img_20220913_0001 昆虫に夢中だった少年が、やがて生物学者になり「生命とは何か」という問いを追い続ける。
科学者なのに文学者でもあり、フェルメールを愛する福岡伸一さんが
美学者の伊藤亜紗さんと、
歴史学者の藤原辰史さんと共に、
それぞれの学問の分野からポストコロナの生命哲学を解き明かす一冊。

”コロナ”は世界の在り様をどう変えてしまったのか?
これからもやってくるかもしれない未知のウイルスに対して、私たちはどうあるべきなのか?

宮沢賢治の「春と修羅」を冒頭に人間というものの在り様を考える。
宮崎駿さんの「風の谷のナウシカ」をモチーフに生物が死んでいく腐海の謎を命の循環に結びつける。
1853年にダーウィンがビーグル号で航海したガラパゴス諸島を自ら探検旅行し、
「ドリトル先生」が描いた世界を体感する。
今も大自然が手つかずのまま残る島で自分という人間の身体も自然の一部でしかないことを身をもって知る。
少年時代の夢を、科学者になり、年齢を重ねた今も尚追い続ける福岡伸一さんの生き方、文の綴り方がとても好きです。

科学的なことになると難しくて半分くらいは私の頭では理解不能なのですが、
そこに文学や子ども時代の夢の話が絡んでくるとワクワクします。

伊藤亜紗さんは日常の中でも目の不自由な人や障害を持つ人との関りが深く、障害を抱える人たちが健常の人に助けを借りなければいけない時、どんな気持ちでいるのかということを学問を通して解説もしていて、とても気持ちが動かされます。
藤原辰史さんも農業と人の暮らしの関りのような視点で歴史を紐解く学者さんで、人を見つめる視線の優しさが学問にも投影されているようでお話にとても説得力があります。

ここに引用してしまいたい文章がたくさんありますが、敢えて私の感想だけにします。

コロナ禍が生み出したお互いを監視し合うような社会の在り方、
人との触れ合いがなくなったリモートワーク社会。
あらゆる場所に置かれるようになった消毒液が当たり前になった潔癖症World。
私自身が「ホントにこれが正しいの?」と
疑問に思って来たことのあれこれについても、「そうそう!」と納得できる意見を述べてくれています。

他の生物の中で生き延びていくためにどんどん変容して形を変えていくウイルス。
コロナウィルスも人の身体の中で変容していくのだ。
ウィルスとの闘いこそが人類の歴史そのものであると言っても過言ではないでしょう。
その闘いの中で今なお生き続けている人類という種の不思議。
実にそれこそが、ポストコロナの種明かしなのかもしれませんね。

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