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2022年10月20日 (木)

「シズコさん」佐野洋子

Img_20221018_0001 強烈な作品です。
シズコさんは佐野洋子さんのお母さん。
4歳の時に母につなごうとした手を振り払われた時から、お母さんのことが大嫌いになったという洋子さん。
戦後、北京から5人の子どもを連れて引き上げ、その後3人の子どもを亡くし、更に2人の子どもを産んで育て、たくましく生きたシズコさんの物語。
洋子さんが19歳の時に父は亡くなったが、シズコさんは女で一つで子どもたちをみんな大学に入れ、自分の家まで建てた。
料理も家事も裁縫も得意で有能な母親だったシズコさん。
それでも洋子さんはどうしても母を好きにはなれなかった。
そんな母が呆けてしまい、老人ホームに母を「捨てた」。
母を愛せない自責の念ゆえに、この本を書かずにはおれなかったのであろう佐野洋子さん。
後半に進むにつれ、お話はグルグル回りになっていく。
自身も大きな病に侵され、自身も認知症の兆しを感じるようになっていく。
でも、そんな日々の中で、洋子さんは母を赦し、母のベッドで「割る前の割りばしのように体をぴったりくっつけて一緒に童謡を歌う」ことができるようになる。

作者の心の在り様にこんなにも切なくさせられた本はない。

家族のことをここまで赤裸々に書いていいのだろうか?
ちょっと心配になってしまった。
洋子さんと共に身近に生きてきた妹さんたちや息子さん、同居人の方は、洋子さんのこの告白をどんな風に受け止めるのだろう。
家族だから赦される?
正直で懸命すぎて、何も言いようがないのかもしれない。
4歳の時につなごうとした手を振り払われて以来、お母さんのことが大嫌いになったという洋子さんだけど、
シズコさん自身はそんなこと覚えてもいないだろう。
たくさんの子どもを抱え、忙しかったに違いないシズコさん。
日常の中のホンのひとコマ。
一瞬のこのことを一生根に持たれるのもものすごく気の毒な気がする。
子どもの感受性というのは怖ろしい。
子育て中のお母さん、気をつけて~💡

人は生まれる家も、家族も選ぶことはできない。
小さな「家族」という舟に乗せられ、人生という大海原に翻弄されながら、
それでも死ぬまで心にいろんなことを感じながら生きていくしかない。
強烈で心に刻み付けられる一冊でした。

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